榮(パク ノヨン)

モンゴル・マラナタ教会 PMM2陣 榮(パク ノヨン)牧師  

 

2006年の年明けからモンゴルは、建国800周年記念行事の準備で道は新しく整備され、さまざまな建築物を新築・増築するなどとてもにぎやかに動いていました。特に、チンギスカンの銅像を新しく製作して英雄化しました。

そのような時に、首都ウランバートルの一つの地区で、私は開拓伝道の準備に忙しくしていました。幼い息子ウンウを含む我が家族3人とモンゴルの女子青年オカは、“マラナタ”と命名した開拓教会を始めました。モンゴルに永遠に残る記念碑的な800周年行事を眺めながら、800年前モンゴル帝国が誕生したように、今日ここに、霊的な帝国が誕生する事を望んで祈りました。

 開拓伝道では本当にたくさんの青年と出会いました。初め頃のある安息日には10人ほどが来ましたが、その次の安息日には、前週とは全然違う新しい10人が来たこともありました。キリスト教に好奇心をもって参加した青年たち、韓国語や英語を学びたいから参加した青年たち、韓国人がいると聞いて仲良くなるために来た青年たちなど、その目的は違うけれど、私たちはイエスを伝える事に力を尽くしました。その中でマラナタ教会の教会員になった何人かの友だちを紹介します。

 モンゴル名で“バヨルセハン”と呼ばれる仲間がいます。喜びという意味で、我らは英語でゾイと呼びました。ゾイに出会ったのは20067月の初旬でした。8月にあるクォン・ジョンヘン先生の講演会準備のためにチラシが必要だったので、いくつかの店を回ってチラシを作る印刷所を見つけました。そこで働いている青年と出会い、オカがマラナタ教会を紹介し、安息日に礼拝があるので来て下さいと言いました。

彼は時間にぴったり家庭集会所である家に来ました。性格が円満で快活なので、初めてなのにウンウとよく遊んでくれたり他の青年たちともすぐ仲良くなりました。次の安息日、礼拝時間になっても見えないので、また連絡しようと思っているうちに少し遅れて到着しました。顔がとても疲れているように見えたのでどうしたのと尋ねったら、先週に注文した伝道チラシを金曜日の一晩、一人で作業して作ったようでした。安息日には作らないように頼んだ印刷所にもう一度確認しなかったのが失策で、一週間以上時間をあげたのにぐずぐずするので督促したところ、結局一番下のゾイさんが徹夜で印刷するようになってしまいました。疲れたはずなのに来てくれたゾイさんを本当にありがたく思いました。印刷所に電話を掛けて安息日には伝道チラシを作らないように頼み、午後から10人ほどの青年と一緒に配りに出かけました。チラシ配布の青年たちは求道者だったので心から感謝しました。皆どれほど熱心に配ったことか・・・。ゾイさんは、自分が作ったチラシを自分の手で配るのが嬉しくて、汗だらけなのにニコニコ笑いながら熱心でした。

 8月初めに講演会が開かれ、今まで聖書を学んだ仲間たちが参加し、皆が御言葉で恵まれキリストを個人の救い主として受け入れるように熱心に祈りました。二日目、チラシがもっと必要だったので3,000枚を追加注文しました。次の日午後チラシをもらってみると、とても不良で使えないので新しく作って下さいと要求したが、ただでは出来ませんと言われ、追加費用を払って作らせました。その日、残った少ない量のチラシしか配布できなかったのがとても悔しく、さらに費用が二重にかかったので腹が立ち、印刷所に再び強く抗議しました。その上、夜の集会にゾイさんが来なかったので連絡を何回もしたのに通話が出来ませんでした。

講演会が終わって何週間後にゾイさんの便りを聞きました。印刷を間違った人がゾイさんで、その失敗のために仕事を辞めさせられて、仕事を探しにゴビ砂漠に行ってしまったのです。その時初めてすべての出来事の状況が分かりました。ゾイさんが一晩印刷したためにあの日の集会に参加出来なかったことや、自分のサラリーより大きな費用の失敗のためにそれ以上仕事が出来なくなり、他の仕事を探して遠い、ウランバートルから二日程かかるゴビ砂漠の鉱業会社に務めるようになりました。その話を聞き、心より申し訳ないと思い、ゾイさんに何度も連絡しましたがつながりませんでした。

その頃、三育外国語学校モンゴル分校の開校準備をするところでした。新しい職員をさがそうとして、ゾイさんを思い出し、仕事を上げようとしましたが何週間も連絡が出来ません。最後と思ってもう一度連絡をしました。今度出来なければあきらめるつもりでしたが、ドラマチックにつながり、共に仕事をする事を提案したら、とても喜んでウランバートルに走って来ると言いました。

今、ゾイさんは学校で働き、家族を教会に導いています。聖書を再び勉強し、20073月にバプテスマを受け、SDAクラブのリーダーとして町の友達や後輩たちを連れて来てクラブに加入させ30人あまりが熱心に活動しています。SDAクラブは教会に少ない男子青年たちを導くため、運動が好きなモンゴル青年対象の伝道プログラムで、サッカー、バスケットボール、野外活動など盛りたくさんの活動をしています。ゾイさんは教会とクラブ会員間の橋の役割をしています。2007年夏に、草原で共に馬に乗りながらゾイさんの証を短く聞くことが出来ました。学校に勤められた事と信徒になった事がいかに喜びであり、感謝であるか。友達はゾイさんをうらやましく思い、ゾイさんがこのように幸せに過ごすことをとても感謝している、ということでした。ゾイさんは熱心に英語と韓国語を学びながらクリスチャンとして成長しています。

 

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ゾイ(左から3人目)

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ゾイ(左から3人目