金榮玟(キムヨンミン)
日本・山形教会 PMM第4陣牧師 金榮玟(キム ヨンミン)
逸見勝利さんに会ったのは、2007年3月13日の雪の日、私が山形教会に赴任して来た日でした。私たち家族を歓迎するために教会に集っていた信徒のご主人でした。たぶん奥さんは、愛しいご主人を神様に導きたくてその場につれて来たようです。
その後も逸見勝利さんは、具合が良くない奥さんを教会に送り迎えしながら、ご自分もたまに出席しました。ある日、私が日本語を学ぼうということで「お宅に伺っても良いでしょうか」と聞いてみると良いと言われました。毎週火曜日にお宅に行き、日本語を学ぶことになりました。その方法は、私が話す中で間違ったところがあれば直してもらう方法でした。その時に、こちらは聖書をお教えしたのです。
自分の家を気軽には開放しない日本人の特徴がありますが、逸見家が毎週招いてくれたのは聖霊のお導きがあったからだと思います。いつも居間で会いましたが、三回目の訪問の時には家のあちこちを見せてくれました。その時、心が私に対してオープンしていることに気付きました。
聖書研究を始めて2カ月程経ったある日、私の家に招待しました。食事をしながら話している間に、逸見さんが「信仰を始めようとすればどのようにしたら良いのでしょうか」と質問されるので、「今が機会だ」と思って洗礼に関して話しました。しかし答はこれでした、「先生が2年後に按手礼を受られるのでしたら、その時先生から洗礼を受けます。」いったい、2年後と言うのは・・・・?!
6月になって韓国三育外語学院の日本語学院伝道チームが来て講演会を開きました。短い講演会でしたが、逸見さんは講師のお話に感銘を受けたようでした。そこでまた洗礼を勧めようと思い、伝道チームから頂いた「かけがえのない人生」という日本の通信講座を一つにまとめた本をプレゼントしました。読書好きな方でしたから(奥さんを教会に見送りして一人で図書館で本を読んだとのこと)何冊かの本をお勧めしました。
そのようなある日、一緒に温泉旅行に行きましょうと誘いを受けました。日にちを確認してみると東京での牧師会が終る日でした。私は心でお祈りしました。信仰を始める良い機会になりますように。私は牧師会が終るとすぐ山形に帰り、温泉街に行くことになりました。私たちが泊まった温泉は歴史ある旅館でした。
美味しい夕食を食べ、布団の上で色々な話をしている間、又信仰の話題で洗礼のことを話し出しました。10月に講演会がありますのでその時、洗礼を受けましょうと話し合いました。その瞬間が忘れられません。旅館の布団の上に御霊が共にいて下さいました。それで布団の上での洗礼の決心があったのです。
その後逸見さんから電話があり、お宅を訪ねました。洗礼を受けると言ったが様々の個人的な問題がありました。長男としての法事のことなど・・・。しかし聖霊のお導きで彼の決心は動かされませんでした。これが私の日本宣教の初穂の証です。
逸見勝利さんは2007年10月20日にバプテスマを受け、現在教会に熱心に参加している良い教会員です。仏教の本ばかり読んでいた自分がこのように変わるとは思わなかったそうです。教会には男性がほとんどいないので大きな助けになっています。ゴールデン・エンジェルスが来た時には近隣の人々を呼んで講演会を開き、またチームを食事に招待して神様を一緒に賛美しました。6ヵ月程の聖書研究は今振り返ってみると聖霊のお導きだと思います。短い間に神様の良き働き人へと成長している一人の魂を見ていると、本当に心が幸せになります。